中国が東アジア、および国際社会においてその役割を増す中、中国の外交およびその歴史についての関心が増し、その研究を志す若手究者が増加してきている。これは国家が相対化され、グローバル化が進む中にあって、東アジアにおいては、また中国においては、国家の役割があらためて関心の対象となっていることを示しているのであろう。こうした中国外交史への関心の高まりは、早稲田大学のCOE「現代アジア学の創生」にも反映され、現代外交史を中心とした「中国外交(史)研究会」が2003年7月に組織されるにいたった。
しかし、清代から民国期に至る近代部分については、研究の場が十分に形成されているわけではなく、外交史研究に関する問題意識を披瀝し、研究情報を交換しながら、互いに切磋琢磨する場が必要とされていた。こうした状況認識については、既に勉強会を名神地区で形成していた岡本隆司と共有していたところであったが、2004年度に川島を代表とする科学研究費・基盤B「中国外交研究の再構築-外交史と現代外交研究間の断絶の克服と長期的視野の獲得-」が採択されたことを契機として、国内の若手研究者による中国近代外交史研究会を岡本とともに立ち上げた。
これまでの活動
- 第10回│2011.03.09
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岡本隆司(京都府立大学)「評:川島真著『近代国家への模索』(岩波新書、2010年)」
青山治世(日本学術振興会)「評:五百旗頭薫著『条約改正史 ― 法権回復への展望とナショナリズム』(有斐閣、2010年)」
五百旗頭薫(東京大学)「評:岡本隆司著『中国「反日」の源流』(講談社メチエ、2011年)」
川島真(東京大学)「評:唐啓華著『被” 除不平等条 “遮蔽的北洋修 史(1912~1928)』(社会科学文献出版社、2010年)」
藤原敬士(東京大学大学院)「1757年広州一港制限に見る乾隆帝の対外政策の変化―「不禁自除」と禁令をめぐって―」
山下大輔(法政大学大学院)「最恵国待遇の運用-大隈重信と日清関係-」 - 第9回│2008.02.08-10?
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合宿を開催
- 第8回│2007.07.08
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岡本隆司「『中国近代外交史研究』総論」
川島真「清朝外務部の研究」 - 第7回│2006.12.23
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早丸一真(東京大学大学院)「出使欽差大臣の洋務-郭嵩燾と曾紀澤-」
谷渕茂樹(広島大学大学院)「日清戦争講和にいたる清朝対日外交」 - 2006.08.17│「近代中国、東亜与世界-東アジア知的空間の再発見と構築」国際学術研討会
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岡本隆司「『奉使朝鮮日記之研究』兼論『使韓紀略』及其政治的背景」
箱田恵子「晩清外交人材的培養」
青山治世「晩清関於増設駐南洋領事的争論」
廖敏淑「清朝対外通商制度」
川島真「民国広東政府的外交」
(「近代中国、東亜与世界-東アジア知的空間の再発見と構築」国際学術研討会、中国社会科学院近代史研究所・『歴史研究』編集部主催、2006年8月17-18日、於曲阜師範大学日照校区) - 第6回│2006.07.01
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根無新太郎(京都府立大学大学院)「清仏戦争期における李鴻章の対ヴェトナム観」(仮)
森田吉彦(京都大学大学院)「日清修好条規(1871年)再考」(仮) - 第5回│2006.02.21
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菰田将司(筑波大学大学院)「日清戦争後の李鴻章から見た清朝外交体制」
小林義之(笹川平和財団)「外務省記録”支那ニ於ケル和約研究会議録”と日中間の非正式外交」 - 第4回│2005.11.20
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岡本隆司(京都府立大学)「清末の在外公館と出使日記」(仮)
箱田恵子(京都大学大学院)「薛福成と中緬関係」(仮)
(国際政治学会・東アジア国際政治史分科会) - 第3回│2005.07.09
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五百旗頭薫(首都大学東京)「日本条約改正史再考(仮題)」
茂木敏夫(東京女子大学)「書評:岡本隆司『属国と自主のあいだ』(名古屋大学出版会、2004年)」
岡本隆司(京都府立大学)「国際政治学会・東アジア国際政治史分科会にむけて」 - 第2回│2004.11.06
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青山治世(愛知学院大学)「書評:川島真『中国近代外交の形成』名古屋大学出版会、2004年)」
新村容子(岡山大学)「アヘン厳禁策の形成と広東」(仮) - 第1回│2004.07.18
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川島真(北海道大学)「本研究会の開催にあたっての趣旨説明」
岡本隆司(京都府立大学)「清末の出使日記とその周辺」