川島真・岩谷將編著『日中戦争研究の現在:歴史と歴史認識問題』(東京大学出版会)、2022年4月上旬刊行予定。
内容紹介
盧溝橋事件を発端にはじまった日中戦争は、現在に至るまで日本(日本人)に大きな影響を与えている。本書は、日本国内の政治・社会の分析をはじめ、蔣介石日記など中国側の史料や、欧米を中心とした国際情勢の分析をもとに、新たな歴史像を再構築する。
主要目次
はじめに(川島 真・岩谷 將)
I 日中戦争史研究の意義と評価
第1章 戦争末期における中国戦線と東南アジア戦線
――「一号作戦」と「ビルマ作戦」の衝撃と波紋(波多野澄雄)
第2章 「戦争遺留問題」と対日新思考
――江沢民・胡錦濤政権期の対日歴史政策(川島 真)
II 戦時体制下の認識と生活
第3章 日中戦争期(一九三七~四一)における日本の戦争指導体制(戸部良一)
第4章 国家総動員体制の動揺――一九三八~三九年(森 靖夫)
第5章 総力戦体制と「聖地」ツーリズム――「鍛錬」と「信仰」(平山 昇)
III 戦争と交渉
第6章 盧溝橋事件における現地交渉(岩谷 將)
第7章 国際機構における「技術」と「政治」
――戦争・国家建設・ナショナリズムの狭間で(帶谷俊輔)
第8章 占領地における中国第三勢力
――中国社会党・中国国家社会党を中心に(関 智英)
【特別寄稿】「攘外政策」の再検討――蔣介石と華北の危機(黄自進/高栁峻秀訳)
おわりに(川島 真)