UP plus ウクライナ戦争と世界のゆくえ
池内 恵 著・宇山 智彦 著・川島 真 著・小泉 悠 著・鈴木 一人 著・鶴岡 路人 著・森 聡 著
ISBN978-4-13-033305-4
発売日:2022年08月05日、判型:A5ページ数:120頁
内容紹介
戦争の衝撃
2022年2月24日にロシア・プーチン政権のウクライナ侵攻は世界に衝撃を与え、いまなお、日々リアルタイムに戦争の状況は報道され、戦争の終結は、今現在も見えていない状況である。本書は、いまもっともアクチュアルに活躍する地域・国際関係の研究者がこの状況を各専門分野から、ロシア・ウクライナ戦争と今後の世界を見通す。緊急出版!
国際政治経済学の鈴木一人、ロシア軍事・安全保障が専門の小泉悠、欧州政治・国際安全保障が専門の鶴岡路人, 現代アメリカ外交の森聡、アジア政治外交史・現代中国の川島真、中央アジア近現代史の宇山智彦、イスラム政治思想史・中東が専門の池内恵、各地域の第一線にいる研究者が見通す、この戦争と世界の未来。
主要目次
戦争と相互依存――経済制裁は武力行使の代わりとなるか(鈴木一人)
1 経済制裁とは何か
2 対ロシア制裁のポイント
3 対ロシア経済制裁の行方
古くて新しいロシア・ウクライナ戦争(小泉 悠)
はじめに
1 二つの戦争パラダイム
2 「限定全面戦争」としてのロシア・ウクライナ戦争
3 古典的な軍事力の重要性
4 鍵を握る動員能力
5 核抑止の役割
6 「新しい戦争」としての側面
おわりに
ウクライナ戦争で欧州は目覚めたのか――変わったものと変わらないもの(鶴岡路人)
はじめに
1 ドイツの「転換点」(とその限界)
2 NATO加盟に向かうフィンランドとスウェーデン
3 エネルギーの「脱ロシア」に向かうEU
4 維持されるNATOの中心性
5 未解決の「ロシア問題
おわりに――欧州の変化の促進・阻害要因
ロシアのウクライナ侵略とアメリカ――「ポスト・プライマシー」時代における現状防衛(森 聡)
はじめに
1 クリミア併合後のアメリカのウクライナ政策
2 侵攻前のバイデン政権の対応
3 ロシアによるウクライナ侵攻後のバイデン政権の対応
4 ウクライナ戦争とアメリカの戦略的な課題
おわりに――「ポスト・プライマシー」時代のアメリカは現状をどう守るか
制限なきパートナーシップ?――中国から見たロシア、ウクライナ戦争(川島 真)
はじめに――中国はロシアと「同じ」なのか?
1 中国国内の見方
2 二〇二二年の中国と新型コロナ
3 中国外交の大原則と米中「対立」という基本構造
4 中国の想定する世界像
5 中露関係の考え方
6 アジアの多数派を獲得する?
7 「力による現状変更」という括り方――「台湾有事」をめぐって
おわりに――ウクライナ戦争と日中関係
ウクライナ侵攻は中央アジアとロシアの関係をどう変えるか――戸惑い・危惧と変化への胎動(宇山智彦)
はじめに
1 ロシアと中央アジア――親密な関係と緊張の兆し
2 侵攻に対する態度――理解か中立か反対か
3 対ロシア経済制裁の影響と「利益」
4 今後の展望――ロシアの弱さがもたらしうる国際秩序の変化
中東主要国の「親米中立」路線と「多極世界」の目論見(池内 恵)
はじめに
1 国連での諸決議への姿勢
2 主要国の対露・対米姿勢
3 「中立」と「多極世界」
あとがき(川島 真)