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9月4日(日)

何とか駒込さんの訳が朝できあがってくる。今度は大丈夫。
朝、8時半、貴志先生と待ち合わせ。偶然、弁護士の中川明先生に出会う。

松浦シンポ。午前中は司会。アジア主義と東アジアに関するセッション。蘇維初先生が、汪兆銘についてコラボレーターとしてみる観点を提示し、アジア主義思想、東亜聯盟運動などについて、汪の関与の低さを強調。日本人に否定的側面をかぶせながら、ではあるが、新しい観点である。駒込先生の報告。オランダ船ジュノー号の問題。反英運動の震源地、一種のアジア主義的な思想の発源地となった台湾の位置を浮き彫りにした。松浦先生の基調講演にぴったり嵌る報告。今度、台湾に行ったときに、王泰升先生のところで、台南州、台北州の裁判記録などを見せてもらえば、新しいことがわかるかも知れない、と考える。何義麟さんの報告は、台湾の一種の左派運動の研究。その盛衰から、当時の台湾知識人の苦悩を描く。彼の研究は、どんどん深化している。台湾政治思想史が形成されるのであろうか。松浦先生の報告は、情報戦について。田中上奏文が、王芃生らによって偽造されながらも、それが華僑ルートにのって広まっていくさまを描く。王の怪しさこそが今後問題になるが、服部さんの論文を読んだ後だったので、いっそう新鮮であった。議論は活発。ナランゴア先生からは、アジア主義、大東亜共栄圏といった思想の起源を、中国型帝国、イギリス型帝国の異なる文脈で理解する方向が提示される。

午後、シンポには参加せず、ラジオ関係の仕事。挿絵、また表紙など。書庫にて、何とか各章ごとの写真などがそろう。しかし、まだ原稿集まらず。懇親会には出ずに自宅へ。

自宅に浅野豊美『帝国の解体と米軍が見た日本人・朝鮮人の引揚げ』(現代史料出版)が届けられていた。引き揚げのありかたを考えるよい写真資料集。

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