中秋節。また、満洲事変の日である。デモなどは特になかった。香港のメディアによれば、香港で多少デモがあったようであるが、映像では少人数。また中国各地では「918」を記念した行事が行われた。(長春では、月餅に「勿忘国恥」などと焼印をいれたものを作っていたようである)
今年4月のデモのことも、こちらに来てから何度か耳にした。総合すれば、北京大周辺から中関村までのデモと、以後の大使公邸、大使館へのデモは分けて考えるべきだと思われる。実際のところ、北京大周辺から中関村へのデモに関しては、おそらくは届出がなされ、北京大の学生なども参加していたようだ。そして、中関村にいたったところで一度解散、そこから先は「流れ」で、人の出入りが随分とあったものと思われる。また、日本人だけでなく、中国人からも玉淵潭の桜を見に行って、和服を着ていたとかいった話を耳にする。北京の生活感覚でも、例のデモは極めて特殊なものであったようだ。
抗日戦争紀念館に行く。四環が通じたので交通が便利になっている。中秋節の廟会が昨日からやっているようで、出店がたくさん出ていて、大変な賑わいである。記念館の前には、解放軍(の訓練兵)が来ている。記念館に入るまでは決して人が多いとは思わなかったが、中に入ると多数の人。展示はきわめて興味深い。ソ連の協力が他の列強よりも最も早かったこと(参戦が遅かったことは問題にされない)などは、昔ながらだが、台湾人民のことを強調したり、また戦後の日僑に対する「温情有る」処理を強調するなど、両岸関係や日中友好に配慮した側面もある。有名な胡錦濤と小泉総理の写真は最後のほうにある。田中上奏文などは、宣伝用のパンフレットが展示されている。日中戦争を反ファシスト闘争全般の中で位置づける工夫もなされている。国民党については、もう少し協力が強調されているかと思ったが、そこまででもない。だが、ことさらに国民党や蒋介石を批判するような展示はほとんど見られなかった。
昼過ぎにホテルに戻り、レポートの採点を継続する。夕方、やっと採点が終わる。原稿用紙10枚以上のレポートを200弱見るという作業は想像以上に大変なことであった。一時間に8本見たとして25時間かかる。実際には10分に1本程度だから、30時間はかかったことになる。その後、記録して作業終了。長い長い採点が終了してほっとする。