2004年7月18日
(川島 真)
中国近代外交史研究会(仮称)発足にあたって
中国が東アジア、および国際社会においてその役割を増す中、中国の外交およびその歴史についての関心が増し、その研究を志す若手研究者が増加してきている。これは国家が相対化され、グローバル化が進む中にあって、東アジアにおいては、また中国においては、国家の役割があらためて関心の対象となっていることを示しているのであろう。こうした中国外交史への関心の高まりは、早稲田大学のCOE「現代アジア学の創生」にも反映され、現代外交史を中心とした「中国外交(史)研究会」が2003年7月に組織されるにいたった。
http://www.waseda-coe-cas.jp/project/minutes/c3-14_aoyama001.html
しかし、清代から民国期に至る近代部分については、研究の場が十分に形成されているわけではなく、外交史研究に関する問題意識を披瀝し、研究情報を交換しながら、互いに切磋琢磨する場が必要とされていた。こうした状況認識については、既に勉強会を名神地区で形成していた岡本隆司と共有していたところであったが、2004年度に川島を代表とする科学研究費・基盤B「中 国 外 交 研 究 の 再 構 築-外交史と現代外交研究間の断絶の克服と長期的視野の獲得-」が採択されたことを契機として、国内の若手研究者による中国近代外交史研究会(仮称)を岡本とともに立ち上げることとした。
この会は、中国近代外交を学ぶ国内の大学院生を中心に形成され、年に3-4度の会合をもちつつ、日常的に情報を交換し合い、また台湾で展開される「近代中国外交」ホームページプロジェクト http://archms1.sinica.edu.tw/foreign/main/MH0000.html に関与するなどして、情報を内外に発信していくことを目指す。また、上記の「中国外交(史)研究会」とも連携を保ち、年に一度程度は合同でワークショップを開催するなどして、1949年をこえた外交史像について議論を深めていきたい。なお、本研究会もホームページを川島真ホームページにおいて立ち上げる予定である。http://www.juris.hokudai.ac.jp/~shin/
2004年7月18日
発起人
岡本隆司・川島 真
【付記】
◎研究会メンバー一覧
箱田恵子 京都大学大学院博士課程
青山治世 愛知学院大学大学院博士課程
上野聖薫 愛知学院大学大学院博士課程
谷渕茂樹 広島大学大学院博士課程
廖 敏淑 北海道大学大学院博士課程
菰田将司 筑波大学大学院修士課程
菅澤幸太郎 日本大学大学院修士課程
小林義之 早稲田大学大学院修士課程
◎世話人
岡本隆司 京都府立大学
川島 真 北海道大学