第11回講義 2001年7月4日
比較政治論講義ノート
テーマ:インドネシア・マレーシア・シンガポール③
■時事関係
■ シンガポール
1965年独立(マレーシアから。1963年マレーシア連邦。1959年自治。)
淡路島程度の国土、人口300万人、しかし日本とほぼ並ぶ豊かさ
反中感情の強い中国にあって4分の3が中国系
○ 決して楽ではない始まり、そして発展
1950年代 既に失業率が10%突破
1960年代 ベビーブーム世代が労働市場に。雇用創出の必要性。
⇒ 中継貿易の拠点なのか。工業化なのか。
華人社会を東南アジアで如何に維持していくのか。
1954年 PAP結成(人民行動党)
1959年 総選挙においてPAP大勝利。李光耀(リー・クワンユー)が首相に。
以後、1990年までの長期政権。
1968年 PAP議席独占。野党不在。
⇒ 安定した経済産業政策。行政系統の整備(産業政策実施)。
官僚主導型、電気・電子産業など輸出を目的とした外資依存型の工業化。
100%外資の直接投資を認める。産業インフラの整備。労働運動の抑制。
(ちょうど1960-70年代は先進国が完全雇用状態にはいり、賃金が上昇しは
じめていたため、海外直接投資が課題となっている時期であった)
国際関係
華人国家
マレーシアとの確執
インドネシアと中国の関係
国防軍の創設、ANZUK(イギリスを中心とする多国間安保)に加盟
1967年 ASEAN
1970年代
安定期に入る。失業問題解決。
国家主導型の経済発展継続。
ヴェトナム戦争終結。アメリカ軍の撤退。ASEANを機軸とした外交へと転換。
国民統合
マレー人とも中国人とも異なる、シンガポール人。言語政策。
「英語社会化」
公共住宅(国民の9割居住、セクト化防ぐ)
しかし、少ない国土・資源での経済発展を約束させるため、管理徹底。
■シンガポールの諸指標
面 積 647.5平方KM(東京都区部とほぼ同じ大きさ)
人 口 総人口 401.8万人(前年比2. 8%増)(00年6月)
住民人口 326.3万人(前年比1.8%増)
華人系 250.5万人(76.8%)
マレー人系 45.4万人(13.9%)
インド人系 25.7万人( 7.9%)
その他 4.6万人( 1.4%)
幼児死亡率 1000人に対し3.2人(99年)
合計特殊出生率 1.48(99年)
平 均 寿 命 男 75.6歳、 女 79.6歳(99年)
国 語 マレー語
公 用 語 マレー語・中国語・英語・タミ?ル語
宗 教 仏教・回教・ヒンズ?教・キリスト教・道教
教 育 義務教育なし (6?4?2?3制)
(就学率:小学校99%、中学校93%、高等学校約46%)
識 字 率 約93.5% (99年)
*このうち、2カ国語以上話せる者55%
■政 治
独立年月日 65年8月9日
政 体 共 和 制
政治理念 民主社会主義
元 首 大統領(S.R.ナザン)
(99年9月1日就任、第6代大統領)
行 政 府 内 閣(14省)
首 相 ゴー・チョクトン
立 法 府 一院制議会
議 席 数* 83(普通小選挙区制)(うち女性4名)
[9単一選挙区、15集団選挙区(各選挙区により4~6名を選出)]
他に9名の立法府任命の指名議員及び1名の非選挙区出議員
(予算案と憲法案件以外は議決権あり)
議員 任期 97年5月26日より5年(任期中の解散も可能)
なお指名議員は99年10月一日より2年
政 党 与党:人民行動党(PAP)(現在81議席)
議 長 トニ?・タン 書記長 ゴ?・チョクトン
野党:労働者党(WP)(2議席、うち1名は非選挙区選出議
員)、シンガポール人民党(SPP)(1議席) 共産党は非合法)
国 防 徴兵制及び志願制により自国軍を保有する他、英・豪・NZ・
マレイシアとの5カ国防衛取極等の安全保障政策により国防
を全うしている。
軍 事 力 陸軍 (50,000人)
海軍 (9,500人、潜水艦1隻・哨戒艦艇・沿岸戦斗艦艇24隻)
空軍 (13,500人、作戦機 240機)
外 交 非同盟中立でASEANの結束を重視
地方制度 なし
■経 済
名目国内総生産(GDP) 849.4億米ドル
(1人当りGDP, 約2万3千米ドル<シンガポール政府発表>)
実質GDP成長率推移 80年代 94年 95年 96年 97年 98年
7.4% 11.4 8.1 7.6 8.9
実質GDPの産業別構成 製造業(25.9%)
金融・ビジネスサービス(27.1%)
商業(含むホテル・レストラン)(15.0%)
運輸・通信業(11.4%)建設業(8.0%)
農漁業(0.1%)
主要製造業 エレクトロニクス(付加価値額で全製造業部門の43.4%)
化学関連 (同18.1%)
機械・設備 (同 5.7%)
輸送機械 (同 5.0%)
加工金属製品 (同 5.0%)
経常収支 US$215億の黒字
外貨準備高 US$755億
公的対外債務残高 0(95年より)