2002年第4回講義資料
2002.4.26.川島 真
shin@juris.hokudai.ac.jp
アジア政治論
0.はじめに
質問表への返答の確認。メイルアドレス。
小泉首相靖国神社参拝問題と秋の訪中
1.Age of Commerce
インド洋貿易圏の充実化+西欧商人の香辛料への欲求+中南米銀と日本銀の流通+明
の海禁緩和…
⇒ 「商業の時代」へ
⇒ 東南アジアにおける港市国家の拡大
2 近世的な管理貿易体制・東アジアにおける小農業主義への転換
+日本からの銀輸出の減少
+清朝の管理貿易体制確立
⇒ インド綿や中国産品を購入できなくなる
(重松伸司『マドラス物語』中央公論社・中公新書、1993年)
⇒ 抜け出すために
新たな輸出産品をつくっていく/あるいは輸入代替をはかっていく
■海の世界
(鶴見良行『ナマコの眼』筑摩書房、1990年1月)
■陸の世界
オランダのマタラム王国への介入(米と香辛料、鉱山資源)
※中国人商人の活躍
3 18世紀後半の変容
■オランダのジャワ支配 ⇒ 英人・ラッフルズによる地税導入
1819年 ラッフルす シンガポール建設
1824年 スマトラ、イギリス=マレー半島 勢力範囲確定
1830年 強制栽培制度導入
(しかし、イギリス東インド会社によるシンガポール・マラッカ・ペナン経営
は失敗。貿易機能だけが残る)
…マタラム王国衰退、ジョホール王国消滅
■イギリス東インド会社のビルマ侵入
■ヴェトナムにおける阮朝の成立(19世紀初頭)
1820年代 明命帝の下で制度整備すすむ
基本的に「鎖国」政策を採用。フランスとの通商拒否。
キリスト教禁止、宣教師処刑。
19世紀中 嗣徳帝の下で西欧型(選択的)近代化政策
1847年・1856年 ダナンがフランス軍に攻撃をうける
1862年 第1次サイゴン条約
1887年 フランス領インドシナに
■シャム
1782年- ラタナコーシン朝、ラーマ1世
周辺諸国へ勢力拡大。宗主権確立。首都バンコック。
1828年 ラオス併合
1854年 ヴェトナムとシャムがカンボジアに対する共同宗主権確立。
1855年 ボウリング条約(⇒開国へ)
おわりに
【参考文献】
石澤良明・生田滋『東南アジアの伝統と発展』(中央公論社、<世界の歴史 13>、1998年)
石井米雄「ボウリング・ハリス・ド=モンティニー三条約のタイ語テキストに関する覚え
書」(山本達郎博士古稀記念論叢編集委員会『東南アジア・インドの社会と文化』
(上)(山川出版社、1980年)